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同窓会で会った懐かしの人がカッコよくなっていて、恋愛に発展していって…なんてのは漫画や小説とかひとつ次元をさげた所のみだと思っていた。その前半までは現実にあった。
中学校の同窓会を開くという茶封筒が届いたのは先週。そして当日である今日。最初に話しかけられたのは6年前の中学時代にかなり仲が良かった人だった。今でも連絡取ってるけど。雪は昔と変わらず美人ぶりで大人っぽい。雪だけじゃなく色々な人に再会を遂げた。“あした”を何故か“みょうにち”と言うポエマーの国語教師は年を重ねただけで折りたたみ持ち携帯は健在していた。ガラパゴスケータイ、ガラケー。みんな見た目は変わったけど、中身は早々変わってない。そんな中でひとり見張る存在がいた。ちらりと視界に入った時にその綺麗に整った顔に自然と目がいってしまった。他の女性陣もそうみたいで、みんな視線は釘付けになっていた。でも誰だかがわからない。
( 誰だあいつ )
心の内で呟き、その人から視線を外した。まぁ、どうせ私と知り合いじゃないんだろうしね。私がその人に気を取られていたを見た雪はおもむろに口を開いた。
「あれ、あんたの元カレだよ?」
何気無しに軽く言われた呟きに耳を疑った。まて、嘘でしょ。元カレと言われた人に視線を戻す。高身長にやはり整った顔。…よく見ると確かに面影が。さらりとした髪は染めは感じはなく、地毛の茶色なのがわかった。
元カレとは中学二年の頃に付き合い始めて、卒業の時に別れた。卒業してからも続く気がしなかったから。元カレの気持ちなんてあまり考えず言い出してしまったから、さぞ怒っていたり呆れていたりしたのだろう。真相は闇の中だけれど。でもカップルの中で多分一番仲が良かったんじゃないかな。デートだってかなり行ったし、プリクラだって無駄に撮った。無駄じゃないけど。
ぼんやりと見つめていると不意に目が合ってしまい不自然に無理矢理視線をずらした。やばい。変な人だと思われる。雪にまた視線を戻す。
「あ」
「え?」
そう言った雪を見て、首を傾げる。後ろに気配がする。あれ、まさか、。
「麻衣」
呼ぶ声は今も変わらない。振り向けば予想通り、あいつがいた。
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